マラソン世界記録の栄養作戦


Haile Gebrselassie

ハイレ・ゲブレセラシェ2007年のベルリンマラソンで世界記録を破った時(2:04:26)にどのぐらい栄養とったのかをまとめてみます。

現在カナダ国立スポーツ研究所、その当時ネスレパワーバーの親会社)でハイレの栄養を管理していた運動生理学者(Exercise Physiologist) によると

レース3時間前:起きて、朝ご飯食べて、オレンジスポーツドリンク(1 本)
レース1時間前:もう一本スポーツドリンク、スポーツバー(バナナ味)
レーススタート直前:ジェル1個

レース中:
5km: 250ml スポーツドリンク(「パフォーマンススポーツドリンク」パウダーを1スプーンに250ml 水)
10km: 250ml スポーツドリンク
15km: 250ml スポーツドリンク
20km: 250ml スポーツドリンク, ジェル1個(クロスグリ味)
25km: 250ml スポーツドリンク, ジェル1個
30km: 250ml 水, ジェル1個
35km: 250ml 水, ジェル1個
40km: 250ml 水, ジェル1個

合計 1時間に:水1.1L, 炭水化物60~80g。 全部だったら相当とってますね!



昔の研究で、「1時間に炭水化物を60g」 が吸収限界と言われてましたが、この10年間の研究で “幾つかの炭水化物の種類を混ぜれば(胃から腸に違うルートを通る)90~100gまで摂れる” とわかってきています。

また面白いのは、ハイレは脱水状態になってもパフォーマンスがいい。
彼は以外と汗をかくタイプです。
2009年のドバイマラソンレース中に体重を9.8%も減らしました(5.7kg!)。
レース中に補給した水分を引くと、1時間に汗を3.6L!

これを見ると、今 専門家がよく言ってる「ロスは2%以下に」を全く守る気がないですね。
けど、2002年にマラソン初挑戦したときの「のどが乾いたら次のエイドで飲む」的なアプローチではなく、レース前から細かい栄養作戦(水分とエネルギーどっちも大事)を実行してます。

ちなみに同じ2002年、トライアスリート クリス・マコーマックがオリンピックディスタンスからアイアンマン(コナ)初挑戦の時も、栄養作戦を甘く考えて不完走でした。
「ただ単純にオリンピックディスタンス×4倍の栄養作戦ではいけない」と言ってましたね。
その後マコーマックは、3~4年かけて自分に合う作戦を見つけ出し、それ以降ロングでも勝負できるようになりました。

レ-ス時間、強度、レースコンディション(気温など)、個人個人の吸収できるレベルなど、複雑にいろいろな要素が絡みますが、こういった栄養作戦は、一般選手にも、レース中のパフォーマンスはもちろん、リカバリー効果のためにも知っておく必要はあると思います。
参考にしてみてください。

>>> マラソン 補給の盲点?

2014-11-18
上の紹介した論文の情報を詳しく:「マラソンのトップ選手は レース中にどのくらい飲んで どのくらい汗をかく?」。

Top photo credit: “maartmeester”. CC License

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「マラソン世界記録の栄養作戦」への2件のフィードバック

  1. はじめまして。

    そこまで飲んでいないはずです。
    用意された量がそうこたったかもしれませんが、どんなビデオを見ても250ccを各給水場で飲んでいません。毎回、残したままで捨てます。ジェルもスペシャルドリンクに溶かしていたとしたら、恐らく半分位だと思いますね。

    例えば40キロ:

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