選手に関する汗の研究は 数十年前からありました。
持久力スポーツの練習をしてる人は 体がよく汗をかくようになる事がわかってきました。
最近は 測定機器の進化により 感受性の高い 堅実な発汗測定器(sudorometer)ができているので、従来よりもアスリートの汗の特性を詳しく分析できる。
1. アスリートは 一般の人より汗腺が多い?
2. その一つ一つの汗腺は 一般の人の汗腺より汗を出せる?
3. アスリートの汗腺は 一般の人の汗腺より早く汗を出す?
一言で言えば、その上のすべて:はいそうです。
4月 韓国で 長距離ランナーに関する汗の研究発表がありました。
16人の(5000mと10000m)ランナーと一般(座りがちな)の20人。
VO2maxを計って基準として汗といろいろ比べました。
汗腺から汗を出させるにはいろいろな方法がありますが、今回は化学的反応(アセチルコリン)で計測しています。
上のグラフは汗腺にアセチルコリンの刺激した後の反応時間。
白いまる:一般の人
黒いまる:ランナー
VO2max高い人の汗腺の反応が早いのがはっきり見えますね。

上のグラフは一つの汗腺に出してる汗の量。
これもVO2max高い人の出せる量が高い。 はっきり見えます。
この論文は他のところも比べてみました(ランナーは一般より汗腺密度高いとか)。
最終的に練習されてる人は 良く汗をかける事が確認できました。
が、、、このブログの内容にもよく出てくるVO2maxですが、汗との関係はもっと複雑です。
前にあった研究(1, 2)で運動中(アセチルコリンの刺激だけと違って)の人の代謝(熱を作る)は、身体自体の大きさなども含めると、VO2maxが汗のレート(量やスピード)とリンクしてるとは言い難い。
たとえば:
Aさん(高いVO2max)とBさん(一般のVO2max)
VO2maxの60%でランをさせたら、AさんはBさんより汗かくけど、それはAさんがBさんより速く走って大量の熱を発しているから。
二人とも同じ発熱量で走らせたら(だいたい同じ身長と体重だったら)ほぼ同じ量の汗をかく。
水分補給に対して
ある論文で、速いマラソンランナーは遅いランナーよりちょっと脱水になってる。
化け物 笑)のハイレ・ゲブレセラシェは、レース中に体重が10%も減ります。 また後日 細かく紹介します。
これは、わざと脱水させて「脱水で速く走れる(軽くなったら)」という事ではない。
耐力(VO2max)を上げると速くなる。 そうすると脱水になる確率が高くなるという事。
スポーツによって違う。
たとえば:水泳選手は汗の量・レートが違う(体温の上昇を水で抑えてる)
最終結論
“高い強度で運動すると 大量の熱を作るので、耐力のある(VO2maxが高い)人がよく汗をかく” が正解と思われる。
そういう練習をすれば、体がもっと早く、もっと大量の汗をかけるように対応する。
汗をかくことで もっと熱を散らせるから 体温を下げるために強度を下げなくても良いので、これは全ていい事(とくにアスリートにとって、、)。
Photo credit: “Kullez”. CC License.
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