先週の日曜日(2014-09-28)、デニス・キプルト・キメット(ケニア)がベルリンマラソンで世界記録を更新しました。同コースで昨年記録された 2:03:23 を 26秒更新の 2:02:57 でゴールした。 2007年のハイレ・ゲブレセラシェが記録した 2:04:26 から既に5回も更新されました。 そしてそのコースはすべてベルリン。 今後、マラソンの記録は このまま速くなる?
ほぼ完璧なコンディションで、30歳のデニス・キプルト・キメットが26秒もの記録更新。
2:02:57は平均2:54/kmペース!
ちなみに今年2位のエマニュエル・ムタイ(ケニヤ)も2013年の記録を破っています(2:03:13)
ケニヤ人速し!
そして、マラソンの新記録を狙うなら、ベルリンで挑戦したほうが良さそうです。
コース
ベルリンのコース、どんだけ速い?
世界歴代10傑のうち、1位~7位までがベルリン大会で記録されています。
ボストンは?
2011年のボストンマラソンで、ジョフリー・ムタイ(2:03:02)とモーゼス・モソップ(2:03:06)が それまでの最速タイムを記録しています。
ただ、ボストンのマラソンコースは公認コースとしての基準を満たしていないので、世界記録としては認定されません。
ベルリンは一番速いコース?
男子だったら、そうですね。トップ10人の記録を平均するとベルリンが一番速いです(2:03:55)。 ちなみにボストンは2:05:39。
そして女子はロンドンマラソンが一番速い(平均2:18:59)。 ベルリンは2番、ボストンが3番。
ですが この平均タイムには、コースの特徴以外の影響もあります。
1.参加選手のレベルが大会ごとに違う。
2.一人若しくは二人のスーパータイムがあれば平均に大きく影響。
でも コース自体、ベルリンのコースは平坦基調。 ほぼのぼりがありません。
シカゴもそうですが、強い風の可能性が高く、90度コーナーが多い。
最後にマラソンの経験者は知ってますが、気温が大事。
ベルリンの9月後半の天気は、気温 湿度共にマラソンに適しています(北緯52度ですからね!)
ちなみに今回のレーススタート時は気温8度。
自己ベストを狙ってベルリンマラソンはいかがでしょう?
2015年は51週後です!!
マラソン記録はどこまで伸びる?
なにが生理的に可能?
1991年に生理的変数を使ったマラソンの記録を予測するモデルができました。
このモデルによると、最適なコンディションと選手をあわせば、なんと1:58:00は可能との予測が出ました。
2011年、新しいデータを含めて、改めてこのモデルで計算したところ、2025~2040年くらいには2時間以下と予想しました。 1991年に信じられなかったことが 時代とともに近づいてきました。
すぐには何が起こる?
多くのエリートランナーのマラソンベストタイムは、10kmのベストタイムの4.6~4.7倍です。
現在の10km世界記録は26:17:53。 それから計算すると2:01~2:03:53ぐらいはありえる。
ほかの計算方法でも 近いタイムを予測します。
そう思うと、今のマラソン記録はまだまだ伸びると思われます。
この数年間に1分速くなってもおかしくないと思います。
それが早く実現するためにどのように?
もし資金が充分にあって、その記録をできるだけ早く実現させるとすれば、、、
- トップクラスのランナーを集める
今のトップ(プロ)ランナーは、どのレースに出るかを選ぶときに賞金額も判断基準のひとつにしている。 一年に数回しかベストタイムは狙えないので、賞金の高いレースを優先するのも当然の事。
トップランナーを集めるために、マラソンコースをセクションに分けて(たとえば21km、30km、35kmと40km時点)スプリットタイム以下で走れば賞金を出す。
このシステムがあれば選手お互いに引っ張り合い、ドラフティングをつかい、リスクをとってもロスを減らす(前半速すぎて後半だめになる)こともできる。
今の段階で2:02:30のスプリットで、記録を更新したらさらに速い設定する。 - トップ選手のみで走るレース。
- 5~10km のフラットな周回コースを作る・見つける。
- 天気のいいところで湿度低くて、気温が10度ぐらい。
- レースは午後(日が落ちるぐらい)。その頃の方が身体がよく動く。
2:02以上
今のままでこれからどうなると思うと聞かれたら、2:02前半は現段階で可能性があると答えます。
2:02からは、記録の更新もどんどん難しくなるでしょうね、、、 楽しみです。
Photo credit: “Mirror”.
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