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オーストラリア出身。  “西オーストラリア大学” コンピューターサイエンス学科/ヒューマンムーブメント&エクササイズサイエンス学科を卒業。 “西オーストラリア国立スポーツ研究所” でオーストラリア ナショナル水泳チーム(ジュニア)のアシスタントコーチを、“西オーストラリア大学”でスイムコーチを経験。 その他、“西オーストラリア消防局”で消防士の健康管理や、病院内のリハビリセンターで手術後のリハビリテーションを担当。 現在、“日本トライアスロン連合 認定指導者” を取得し、西日本各地で エリート/エイジ/ジュニアと幅広い選手層のトライアスロンコーチとして活動中。

持久系スポーツの効率を上げるには “筋トレ”

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ここ10数年の研究では、サイクリングやランニングなどの持久系スポーツと筋トレの関係に注目しています。



2011年。 年齢を重ねると、運動効率に対して 筋トレがますます重要との 新たな発表がありました。
伝統的に、年齢とともに持久パフォーマンスが落ちるのは、ほとんどが最大酸素摂取量(VO2max)の低下のせいと考えられています。
ちなみに、最大酸素摂取量は10年で10%落ちると言われています。

今回紹介する研究はちょっと変わっていて、サイクリストに筋トレをしてもらい、その前後で運動効率の変化を計りました。

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マラソンのトップ選手は レース中にどのくらい飲んで どのくらい汗をかく?

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以前(1月19日)書きました “マラソンの栄養作戦” の記事について、いろんな意見 質問を戴きました。
特に多かったのは 実際にはどのくらい飲んでるのか?
今回の記事は、この時のデータをもう少し詳しく紹介します。

前の記事の重要なポイントは「作戦」です。
トライアスリート(特にアイアンマン)はよくわかってると思いますが、栄養作戦を立てる時には非常事態への対処分も含めています。
レース中のコンディション(天気など)の変化や、作戦を失敗(エイドステーションでミス、ボトルを落としたりなど)対策ために、過剰に準備します。

ハイレは2008年のベルリンで、確かに約2L+αのドリンクを用意していました。 当然全部取ってないと仮定することもできます。
作戦を組む時には多目にしてます(足りないよりはいいでしょう)。

では、実際どの位飲んでる?

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連続長距離レースの影響と回復を科学します

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マラソンブームで幾つものレースに連続出場される人も増えてきてます。
エントリーのサイトを開いてみると、土日でマラソンを2本、月に4本とか、またはウルトラマラソンのイベント(4~5日連続マラソン)なんてエントリーも出来ない事はありません。
ウルトラマラソンやマルチステージ(バイクのツールなど)のイベントを見ると、連続でマラソンを走る事は可能な事です(何千人もやってます)。
長距離レース自体は連続で走っても問題ないのですが、短期間にすると自己ベストのパフォーマンスは出せない。
それでも、連続で走るん(バイクも含めて)だったら、身体に対する影響は知っておいた方がよい。
今回の投稿は、このことに対しての研究を紹介します。

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ダイエット、怪我の回復、、、ジツは気力の問題?

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2週間前の記事で脳のパワーについて書きました。 コメントで多くの交流が出来たことを嬉しく思っています。
今回は(スポーツに直接関連していないのですが、、)、脳がどれだけパワフルで その働きがどれだけ知られていない(解らないことが多い)かを示す 二つの論文(少々古い論文ですが、、)を紹介します。

2011年、アメリカのイェール大学でダイエットについての研究発表がありました。
この結果はほんとに考えさせられます。
この研究の参加者は「甘い」高カロリーミルクセーキか「賢明な」低カロリーミルクセーキを飲まされた。
そして 飲む前に、「甘い」「賢明な」ミルクセーキとの詳細な説明を読まないといけませんでした。

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速さはパワーだけではありません。効率も大切です。

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ペーシングについて、萩野公介選手のアジア大会の200mフリーのパフォーマンスを見てみます。
アジアのライバル孫楊(スン・ヤン)選手と朴泰桓(パク・テファン)選手に勝った事は素晴らしかったンですが、それ以上にレースのペース配分に驚きました。

萩野選手、最終スプリットに入って 別のギアがあるかのようにスピードを上げました(150~200mスプリットが26.00!!)。
最初の3スプリットはトップの三人で一番遅かったというのにです。 これは作戦も素晴らしかったという事でしょう。
D1-1 / 2014 Asian Games – Men’s 200m Freestyle Final (Youtube)

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